運動器リハビリテーションとは、病気、けが、高齢などにより運動機能が低下し、日常生活や余暇活動、スポーツ活動などを行う事が困難になった場合に、運動機能の維持・改善を目的に運動や電気刺激・温熱・水・光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
目的は運動機能の回復にありますが、日常生活活動(ADL)の改善を図り、最終的には生活の質(QOL)の向上を目指します。病気、けが、高齢など何らかの原因で寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなどの動作が不自由になると、ひとりでトイレに行けなくなる、着替えができなくなる、食事が摂れなくなる、外出ができなくなるなどの不便が生じます。運動器リハビリテーションでは、病気や障害があっても、住み慣れた街で、自分らしく暮らしたいという一人ひとりの思いを大切にします。
当院のリハビリテーションでは、体重に対する筋肉量(%MV)が十分にあるか・筋肉量に見合った体重支持指数(WBI)があるかを計算し、リハビリテーションを実施しています。
リハビリテーションの対象となる身体に何らかの痛みや動作障害を有する方は、年代や生活・運動レベルを問わず、自身の筋肉量に見合った筋力が発揮出来ていない方が多いといわれています。%MV、WBIを測定することで、リハビリテーションの個別性が高められ、対象者が主体的にリハビリテーションを実施するようになると考えています。
WBIと筋肉量(%MV)の相関
%MVとは、総たんぱく質量(kg)/体重(kg)×100=%MVという 式で表され、身体における総たんぱく質量の割合が算出できます。WBIとは体力・体重支持指数を表すもので、自分の体を支える能力の指標になります。
筋力測定と体重支持指数(WBI)の相関
リハビリテーション対象者に対しては、筋力を測定後に、リハビリテーションを実施しています。
立ち上がりテストとは、10cm〜40cmの各台から片脚もしくは両脚で立ち上がれるかどうか、で筋力を判定するものです。その立ち上がりテストの結果は、WBIと相関があるとされています。
リハビリテーションプログラムの立案をチャートにすると、下図のようになります。
当院のような整形外科での診療においては、主に
などを対象にリハビリを行います。
流れとしては以下の手順で進んでいきます。
